(^_^)はもう古い!押さえておくべき顔文字のニューウェーブ
絵文字進化論第4回【後編】
■1万2千個以上ある日本の顔文字
(前編)では、欧米式の顔文字は新しいものが作られなくなった、という話をしました。ところが、日本の顔文字に目を向けると、絵文字やラインのスタンプの流行もあるなか、新しい顔文字が日々生まれています。その数は驚きの1万2千個以上!
欧米式の顔文字は横向きという特徴のため、幅に限りがあります。しかし、日本式の顔文字はスペースに余裕があって、横に数を増やすだけでも新しい表現が簡単にできてしまいます。
笑顔を3つ並べると…
( ^ ^)(^ ^)(^ ^ )
顔に手を足してみると…
(ノ^ω^)ハ(^ω^ )ノ
顔の後にフレーズを入れてみたり…
( ̄Д ̄つかれたー
こうすることで、表現のバリエーションが無限に広がるのです。
他にも日本式の顔文字には、m(_ _)m(謝罪や感謝)、(T_T)(泣)など、日本で親しまれているローマ字を使ったものがあれば、Aをひっくり返した記号「∀」やギリシア文字のオメガ「ω」など、数学や物理学で使われる記号も登場します。
例えば、「∀」を使う場合…
(・∀・)
笑っている口を表して、ポジティブな雰囲気を持たせるのに使われます。
また、「ω」を使う場合…
(^ω^)
こちらも喜び、笑いを表現しています。「ω」は猫の口元をイメージした形です。「かわいい!」という女性の反応もあれば、「変わった形の鼻や顎(!?)だね~」という男性や、日本の顔文字に馴染みが薄い外国人の反応もあります。確かに、位置的には鼻かなと思えなくもないですね。
さらに、さらに。ある国の文字が、日本の顔文字パーツによく使われています。例えば、( ̄Д ̄)ゞ ъ( ゚ー^)」 щ(゚Д゚щ)に出てくる「Д」「ъ」「щ」は何文字か分かりますか? そうなんです、筆者の母語ロシア語の表記に用いられるキリル文字です。
特にДはよく目にしますね。キリル文字のДは、ローマ字のDに対応して、デーと発音されますが、顔文字では開いた口を表すのに用いられるようです。
ところが、ロシア人の私にとっては、これらの顔文字を初めて見た時に、Дが何を表しているのかさっぱり分からなかったのです。口だと言われて、一所懸命頑張って集中してじーっと見つめたら、ようやく何とか口に見えてきましたが、顔の部分と言えば、せめて鼻かなという感じでした。みなさんはパッと見て、何に見えますか?
Дが入っている顔文字は、(;´Д`)(悲しみ)、(*゚Д゚*)(驚き)など様々な感情を表せるバリエーションがありますが、私自身は結局この顔文字を使いこなせるようになれませんでした(^_^;) 母国語の文字は、発音と結びついていて、イメージが固定化してしまっているため、そこから切り離して形だけで捉えるのは難しいものです。
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